「今日の天気は？」「おすすめの音楽をかけて」
朝の忙しい時間、スマートスピーカーに話しかけるのがすっかり日課になった、という人も多いのではないでしょうか。ほんの数年前まで、AI（人工知能）といえばSF映画の中の存在だったのに、今では私たちの日常にすっかり溶け込んでいます。
まるで空気のように、当たり前になってきたAI。 でも時々、ふと考えるんです。私たちは、この新しい隣人と、これからどう付き合っていくのがいいんだろうって。
今日はそんな、AIと私たちの「これから」について、少しだけ肩の力を抜いて、おしゃべりするように考えてみたいと思います。
目次
AIは「完璧な秘書」ではなく「面白い同居人」？
AIアシスタントに何かをお願いした時、時々「え？」と聞き返したくなるような、ちょっと不思議な答えが返ってくること、ありませんか？
「〇〇について教えて」と聞いたら、なんだか見当違いなことを一生懸命説明してくれたり。簡単な計算をお願いしたはずが、なぜか壮大な物語を語り始めたり。
昔だったら「このAIは使えないな」とイライラしていたかもしれません。でも最近、なんだかその「完璧じゃないところ」が、妙に愛おしく感じられるようになってきました。
まるで、ちょっと天然な同居人みたいだなって。
私たちが期待する「100点満点の答え」を常に返してくれるわけではない。でも、だからこそ面白い。そのズレや余白に、思わず笑ってしまったり、新しい発見があったりする。これって、人間同士のコミュニケーションと少し似ている気がしませんか？
完璧な性能を求めるだけが、AIとの付き合い方じゃない。ChatGPTのような生成AIとの対話もそうですが、「完璧な答え」を引き出すことだけがゴールじゃないのかもしれません。時にはAIの「個性」を楽しみ、その不完全さすらも受け入れてみる。そんな風に捉えると、AIとの暮らしはもっと豊かで、面白いものになるような気がするんです。
「考える時間」をAIにプレゼントされて、私たちは何をする？
AIの進化によって、私たちの仕事や生活は確実に変化しています。
面倒な事務作業や情報収集はAIが得意なこと。私たちがこれまで「作業」に費やしていた時間を、AIが少しずつ肩代わりしてくれるようになりました。その結果、私たちには「考える時間」という、かけがえのないプレゼントが与えられています。
さて、その時間で、何をしましょうか？
もっと創造的な仕事に打ち込む？ 新しいスキルを学ぶ？ それとも、家族や友人と過ごす時間を増やす？
どれも素敵な時間の使い方ですよね。
私が最近思うのは、あえて「何もしない時間」を持つことの贅沢さです。AIが効率化を進めてくれるからこそ、私たちは非効率なことに価値を見出せるようになるのかもしれません。
ぼーっと空を眺めたり、目的もなく散歩をしたり、ただただ好きな音楽に浸ったり。そんな、生産性とは無縁の時間が、心を豊かにし、新しいアイデアの種を育んでくれる。AIがもたらす未来は、ただ効率的で便利なだけじゃない。むしろ、私たちに「人間らしさとは何か」を問い直すきっかけを与えてくれているのかもしれません。
ちょっと怖い？ AIとの未来で失いたくないもの
もちろん、いいことばかりではありませんよね。 AIの進化のスピードに、漠然とした不安を感じることもあります。
「自分の仕事は、いつかAIに奪われてしまうんじゃないか？」 「AIが人間を超えて、世界を支配するようになったらどうしよう？」
そんな声を聞くたびに、少しだけ心がざわつきます。AIとの未来を考える上で、こうした「怖さ」から目を背けることはできません。
でも、だからこそ大切にしたいものが見えてくる気もします。
それは、自分の頭で「なぜだろう？」と考えること。 友達とくだらない話で笑い合う、温かい繋がり。 美しい景色や芸術に、心を揺さぶられる感動。
こうした、論理や効率だけでは測れない感情や体験こそ、私たちが最後まで失いたくない「人間らしさ」の核になる部分なのではないでしょうか。
AIはあくまで、私たちの生活を豊かにするための「ツール」です。そのツールをどう使い、どんな未来を築いていくのか。その舵取りをするのは、いつだって私たち人間自身。AIについて知ることは、未来の不安を煽るためではなく、私たちが何を大切にしたいのかを再確認するために、きっと役立つはずです。
AIの基礎から未来まで、一度じっくり考えてみたいと思った時、こんな本を手に取ってみるのもいいかもしれません。専門用語をできるだけ使わずに、AIとは何かを分かりやすく解説してくれます。
『人工知能は人間を超えるか 』
AI時代だからこそ、アナログな時間が愛おしい
ここまでAIとの付き合い方について話してきましたが、面白いことに、AIが日常になればなるほど、私はアナログなものの価値を再認識するようになりました。
スマホでニュースを読むのは手軽だけど、紙の雑誌をめくる時の手触りやインクの匂いは、何とも言えない安心感を与えてくれます。
AIに今日の献立を提案してもらうのも便利だけど、パラパラと料理本をめくりながら「これ、美味しそう！」と発見する楽しみも捨てがたいものです。
デジタルがもたらす利便性と、アナログがくれる温もり。 その両方を、行ったり来たりしながら楽しむ。それが、これからの時代の豊かな暮らし方なのかもしれません。
AIとの未来は、決して白か黒か、all or nothingではありません。 怖がるだけでもなく、盲信するだけでもなく。 私たちは、その時々で心地よいバランスを見つけながら、この新しい隣人と、しなやかに付き合っていけるはずです。
今日のひとこと： 「今日のAIのご機嫌は？」なんて、話しかけてみるのも面白いかも。
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